愛称阿蘇くまもと空港。その名の通り阿蘇外輪山台地の西端にあり、その立地ゆえ
霧の発生が多く、また阿蘇山の噴煙に悩まされることが宿命的につきまとう。まさに
「火の国熊本」の空港である。しかし、眺望は素晴らしく阿蘇はもちろん島原湾を挟んで
遠く雲仙の山並みも望める風光明媚な空港でもある。

熊本市の中心部までバスで50分と都市規模のわりには「遠い空港」であるが、乗降
客数は福岡、鹿児島についで九州では3位につけている。陸上自衛隊との共用と
なっておりヘリコプター部隊が駐屯している。飛行場としての歴史は比較的新しく、
かつては熊本市内に1200メートルの滑走路を保有する熊本飛行場があり、
それを廃止して1971年に現空港が開設された。当初滑走路は2,500メートル
だったが1977年には3,000メートルに延伸された。

熊本県の観光と言えば熊本市内で熊本城と水前寺公園、そして阿蘇と天草が定番
だったが、近年人吉などの流域地域や、ひとりのカリスマ旅館経営者がさまざまなアイデアを
駆使して復興させた黒川温泉が注目を浴びている。

そして筆者のお薦めは通潤橋だ。上益城郡山都町にある石造りのアーチ橋だが、完成は
なんと嘉永七年(1854年)である。長さ78メートル、幅6.3メートル、高さは20メートルである。
同様のものは小規模なら京都・南禅寺境内にある琵琶湖疏水の水路閣、大規模なものは南フランス
ニーム郊外にあるポン・デュ・ガールがあるが、いずれも興味深い構造をもっている。

放水時の通潤橋は大迫力。一見の価値あり。

ジェットスターなら安いフライトを見つけて熊本まで旅立てるはずだ。