フライトレーダー24というサイトをご存知でしょうか。
簡単に言ってしまえば世界中の民間航空機の動きが地図上に
リアルタイムで表示される驚きのサイトです。PC版とスマホ
アプリがありますが、お薦めはスマホでPC版を見るパターンで、
こうすれば無料でそこそこの情報を得ることができます。

仕組みを調べたので簡単に説明しますと、民間航空機が自機の
位置通報を発信する「ADS-B」という信号を捕まえてディスプレイ
上にプロットしているそうです。そして驚くべきことにこの
サービスを作り上げたのが官庁や企業などの既成の大組織ではなく、
一般の航空ファンが力を合わせて構築したという事実です。これは
冷静に考えるととてもスゴイことではないでしょうか。そして更に、
受信した各機からの信号をデータとして提供しているのも航空ファン
ということ。単なる、と言えば失礼にあたりますが在野の航空ファン
が世界中で寄り集まり、基本的には無料で情報を公開している。
ITの功罪がよく議論されますがフライトレーダー24はまさに
「功」の代表例と思われます。

フライトレーダー24を実際に起動してみましょう。地図はグーグル
マップが使われていて、表示範囲の拡大縮小は思いのまま。
飛行機のアイコンは黄色く表示されますが機種の大きさによって
形も異なる芸の細かさも。この飛行機をクリックするとフライト
情報のウインドウが開きます。航空会社名、便名、発着地、
出発時間、到着予定時間、総飛行距離、機種、機体番号などが
即座に確認できます。例えば日本列島全体が表示されるほどの
縮尺でディスプレーを表示させていると、飛行機はたまにしか
動きません。しかしどんどん表示範囲を狭めてゆくと、スルスル
動いていて、地図に表示された地名の位置関係から、さすがに飛行機の
速度というのは目にも止まらぬ速さなのだなあ、と感心してしまいます。

ただ漫然と見ていても充分に楽しめるのですが、ここに表示されて
いることからいろいろなことがわかります。まず航空路が意外な
トコロを通っていること。日本からヨーロッパへの往復は新潟から
佐渡を経て大陸に抜けて行くコースが一般的と思っていました。しかし
北海道を縦断してサハリンあたりで左カーブを切ってシベリアへ、
というルートも結構使われているのです。見ているとルフトハンザや
KLMなどがこのルートを好んで!?利用しているようです。北海道上空は
この他にも北米、カナダ行きの飛行機が頻繁に横断しています。そして
それは日本の航空会社ではなく、アメリカやカナダ、中国、韓国、香港、台湾の航空会社が
多いという事実を思い知らされるのです。夜間や早朝はそのほとんどが大型貨物機です。成田から
直接太平洋を北東方向へ飛ぶ日本機のコースとは若干ズレがあるようですが、
それにしてもその量は半端ではありません。何やらこれらのアジアの
国々の勢いと、緩やかに退潮にむかっている日本を象徴しているようなで
少しシンミリとした気分にもなります。