今年も秋の「京都非公開文化財特別公開」が10月28日からはじまります。
昭和40年(1965年)から始まった文化財愛護の啓発事業で、現在は春と秋の
年2回開催されています。拝観料800円が文化財の保存修理や維持管理に
充てられています。今秋の公開施設は全21個所、公開時間は午前9時から
午後4時(受付終了)までとなっています。今回も各所の特徴をご紹介しますので
京都で少し時間が空いたなら1・2か所まわってみて下さい。もちろん全箇所
制覇のため京都旅行を計画するのもアリですね。開催期間が11日間(11月
7日まで)と短いこと、上賀茂神社、冷泉家、下鴨神社、法然院、松花堂は期間が
異なりますのでご注意ください。
■上賀茂神社■
国宝の本殿と重要文化財である賀茂別雷(かもわけいかづち)神社文書が
公開されます。この神社文書とは源頼朝や後白河法皇などが上賀茂神社の存立経緯
や信仰、さらには所領などについてふれた発給文書で貴重な歴史資料とされて
います。
■妙蓮寺
長谷川等伯一派の障壁画「松桜図」「柳図」「鉾杉図」などが公開されます。
十六羅漢石庭も観覧可能です。
■清浄華院
浄土宗総大本山で国宝阿弥陀三尊像(著色仏画)の公開です
■廬山寺
紫式部が源氏物語を執筆した屋敷跡と言われる天台宗の寺院ですが元三大師坐像と
御前立鬼大師像が公開対象となっています。
■冷泉家
歌聖と言われる藤原俊成を祖とする和歌の家。重要文化財である住宅が公開
されます。
■下鴨神社
国宝である東西の本殿など建築物の公開です。
■法然院
通常建物の中には入館出来ませんが、11月1日から7日までは本堂に上がり、
阿弥陀如来座像前に生花を配する光景を拝観することができます。
■瑞泉寺
豊臣秀次とその一族を弔う寺で本堂と秀次公縁起(秀次事件を描く絵巻)が
公開されます。瑞泉寺は当企画では初公開となります
■誓願寺
重要文化財誓願寺縁起の公開
■宝蔵寺
伊藤若冲「竹に雄鶏図」「髑髏図」が公開されます。
■安養寺
本尊である逆蓮華阿弥陀如来像などの公開が予定されています。
■京都ハリストス正教会
ここも初公開ですが正教に特有のイコンなどが公開されます。
■知恩院三門
三門二層内部にある狩野派による天井画など、普段立ち入れない場所にある
宝物が観覧できます。
■妙法院
国宝である庫裏が公開されます
■平等寺
薬師如来立像の公開
■東寺灌頂院
真言密教の鎮護国家の祈祷を行う仏堂灌頂院が公開されます
■東寺講堂・五重塔
いわば京都のシンボルとも言える東寺五重塔の第一層の内部に入ります。
更に講堂内部の周回も可能です。
■石清水八幡宮
国宝の本殿内部を参観します。
■神應寺
狩野山雪「瀑布図」
■正法寺
重要文化財である本堂と方丈が公開されます。
■松花堂庭園・美術館
松花堂と言えば弁当!と連想する方が多いと思いますが、石清水八幡宮の
瀧本坊住職で茶人でもあった松花堂昭乗が造った書院庭園が公開されます。
ちなみに松花堂弁当の器は昭乗が煙草盆として使っていた仕切り容器を料亭
吉兆の創始者湯木貞一が茶懐石弁当の器として使ったのがはじまりのようです。