北海道のオホーツク海側、紋別市を流れる渚滑川流域に点在するケショウヤナギ
(化粧柳)の群生地を保護するため、国土交通省の北海道開発局が実証実験を
開始した。ケショウヤナギは冬に枝先が赤く色づき、幹は白粉を塗ったように白くなる
ことからその名がついた。長野県の梓川や北海道では十勝・日高地方で自生が
確認されているが、渚滑川の群生は規模も大きく、色合いも非常に美しいと評価
されている。しかし近年治水や農地確保のための堤防により、樹木が生育しやすい
砂利の川原が減少している。これに伴ってケショウヤナギ群生地の面積も減少しており
行政が危機感を持った形だ。競合する若木を間引いたり、壮年期の木を伐採して
切り株から新しい芽を芽吹かせるなどなどの方法で群生地の勢いを復活、増大させる
目論見。将来的に群生地の景観が保全されれば新しい観光資源となる可能性も
あり、地元からも熱い期待が寄せられている。