日向往還と言っても宮崎県ではなく、熊本県でのイベントである。以前
空港紀行の熊本空港篇で触れた通潤橋をめざすウォーキングイベント
3月19日と20日の両日に渡って上益城郡山都町で開催される。

日向往還とは現在の熊本市から宮崎県の延岡市に至る800年の歴史を
誇る古い街道である。山都町をこの街道が横断していることからこの
イベントが始まったのだが今年で11年目を迎える。ウォーキングコースは
2日間で5コースが設定されており、健脚度にあわせて自分に合ったコースを
選択することが出来る。通潤橋をめぐるコースは2本設定されている。

通潤橋は言わば日本のポン・デュ・ガールだ。規模も歴史も本家にかなわ
ないものの堂々とした日本の文化財である。江戸時代水不足に悩まされて
いた白糸台地の住民のため惣庄屋「布田保之助ふたやすのすけ」が1854年
に肥後石工の技術を駆使して建設した。日本最大級の石造りアーチ橋で長さ
75.6m、高さは20.2mある。橋の上部にサイフォンの原理を用いた通水管
が3本敷設されている。現在もこの管を通過した水が周辺の農地を潤して
いる。この通水管にたまった堆積物を除去するために行う放水がダイナ
ミックで見ごたえがあり人気を集めているのだが、現在は年間を通して
予め決められた日に放水する計画放水となている。