香川県東部の町 東かがわ市の引田(ひけた)港は往古より瀬戸内の風待ちの
港として知られ、江戸時代から明治初期にかけては四国の玄関口として栄えていたが、
四国遍路へ向かう巡礼たちもここから歩きはじめることが多かった。隣接する徳島県
鳴門市には一番札所の霊山寺、さぬき市には八十八番札所の大窪寺があり、
東かがわ市では「おへんろプレスタートのまち」と銘打ってツーリズムウォークを企画した。
第1回目の今年は3コースが設定され、いずれも江戸期創業の醤油蔵である讃州
井筒屋敷をスタート・ゴール地点としている。Aコースは「醤のまちと風の港めぐり」で
6km、Bコースでは「和三盆と相生の里歩き」で10kmを歩く。更に両コースを
繋ぎ歩くのがCコースだ。コース上には給水コーナーだけではなく、給ウドンコーナーも
設置されるとのことでまさにうどん県の面目躍如である。
引田は瀬戸内寂聴の自伝的短編小説『南山』の舞台となった町でもある。